メダマハネアリ

Gigantiops destructor Fabricius, 1804

メダマハネアリの標本写真を撮影しました。
本標本は名古屋大学 井戸川直人博士にご提供いただきました。
日本のアリではありませんが、ご容赦ください。

マウスをかざすと拡大します。
多焦点合成によって細部まで繊細に表現していますので、ぜひ隅々までご堪能下さい。
※スマホの場合は横画面にすると高解像度表示になります。

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メダマハネアリ
メダマハネアリ
メダマハネアリ

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分布・分類

南米に生息。Gigantiops属の中で唯一知られている種。

生態

主に土中に営巣する、多巣性の種。採餌方法が特に独特で、優れた視覚を活かして獲物に飛びかかる(Beugnon et al., 2001)。また、仲間同士で獲物を取り合う(kleptobiosis)ほどの完全単独採餌で、さらに獲物はその場で咀嚼して摂食し、巣に戻らずにそのまま次の採餌に向かうという観察や、シロアリをくわえたまま30 cm以上ジャンプすることも知られている。なお、視覚的なナビゲーションによってほぼ直線的に帰巣する。
 そのほか、複雑なローカルランドマークが配置されたアリーナにおける視覚的なルート記憶(Macquart et al., 2006)、視覚に依存しない複雑なY字迷路の学習(Macquart et al., 2008)などが研究されている。

文献

Beugnon, G., Chagné, P., & Dejean, A. (2001). Colony structure and foraging behavior in the tropical formicine ant, Gigantiops destructor. Insectes Sociaux, 48(4), 347–351.
https://doi.org/10.1007/pl00001788

Macquart, D., Garnier, L., Combe, M., & Beugnon, G. (2006). Ant navigation en route to the goal: signature routes facilitate way-finding of Gigantiops destructor. Journal of Comparative Physiology. A, Neuroethology, Sensory, Neural, and Behavioral Physiology, 192(3), 221–234.
https://doi.org/10.1007/s00359-005-0064-7

Macquart, D., Latil, G., & Beugnon, G. (2008). Sensorimotor sequence learning in the ant Gigantiops destructor. Animal Behaviour, 75(5), 1693–1701.
https://doi.org/10.1016/j.anbehav.2007.10.023


※本サイトで用いている学名は特に断りのない限り,日本産アリ類図鑑(寺山ほか,2014)に準拠しています。

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